大阪といえば、粉モンが名物と化しています。お好み焼き然り、たこ焼き然り、イカ焼き然り。
一般的なたこ焼き
昔は木の舟に入れてもらったものだが、最近は発泡スチロールになっている
鰹節は粉の場合も削り節の場合もあり、店による
よく、大阪以外の人に聞かれるのが、「大阪の人って自分の家にたこ焼きセットみたいなもの買って自分の家で作るの?」です。答えはもちろん「そうや!あたりまえやん!」です(笑)。家にたこ焼き器の無い大阪人はモグリ(爆)・・とまでは言えませんが、殆どの家庭ではお持ちだろうと思います。ちなにみ私の家では都市ガス専用の15個焼きのものと、ホットプレートにたこ焼き専用プレートがついているものの両方あります。粉注ぎと青海苔などの振りかけ入れは道具屋筋で調達しました。
大阪ではスーパーや大規模小売店のキッチン周り、ホームセンター、家電量販店、大型電気店など家電品を売っている売り場に必ず「たこ焼き器」は売られています。あのフランス大手スーパーの日本出店先である尼崎店や箕面店でも売っている(チラシにも掲載される)ほどです。ホットプレートでたこやきの出来るプレートが付くメーカーはシャープ、象印マホービン、タイガー(TIGER)魔法瓶、三洋電機と軒並み大阪に本社のある会社から発売されています(大阪以外のメジャーメーカーでは三菱電機だけ?)。また、難波千日前の道具屋筋に行くと必ず店頭の目立つ所に業務用から小さい家庭向きの物までガス式のたこ焼き器や粉注ぎ、青のり等の振り掛け入れなどが置かれています。たこ焼き器にどれほどの需要が発生してるのでしょうか。大阪の経済はたこ焼きがベースか?通貨は1タコヤキか?と思い違いしそうなぐらいです。
脱サラでたこ焼き屋を始める人も多いのかもしれませんが、この時期は暑くて食べる方も焼いている方も汗だくになります。
大阪のたこ焼きの特徴はなんと言っても、出汁で粉を溶く事で、たこ焼き自体にすでに味がついているのです。焼き上がったたこ焼きは、外側はカリっと内側はトロリとした食感で、内部に空洞がありパンパンにふくれているのが特徴です。中まで粉で詰まっていて、ふんにゃりとして火が通ったナマ焼け小麦団子のような物は下の下であり、そんなものを出す店は遠からず客足が遠のき潰れる事間違いありません。
ソースを塗る店で使うソースもまた大阪ローカルのメーカーで製造されている場合も多く、全国的にはオタフク(元は広島ローカル)やカゴメ、キッコーマン、デルモンテなどが知られているかもしれませんが、ヘルメス(石見食品工業所)やダイコク(大黒屋)、イカリ(昨今不祥事で有名になった)、オリバー(神戸)といった大阪・関西ローカルメーカーの製造するソースをベースに独自にたこ焼き用にミックスしたり材料を足したりして作られたソースを利用している店も多くあります。いわゆる秘伝のソースというわけですね。
大阪のたこ焼き屋さんで、店で食べる事が出来るところでは「自分で焼ける」店もあります。粉(粉注ぎに入れて出て来る)、たこや天かすの他の具一式、醤油、油引きと油、千枚通し(たこピン)一式が出てきて、客席にあるたこ焼き器で自分で焼いてたこ焼きを仕上げるという趣向です。腕に自信のある方はその手の店に行ってみられてはどうでしょうか?
元祖たこ焼き店。当時のラジヲ焼から明石焼にヒントを得てタコを入れたのが始まり。
ここでは焼いてくれた物が出て来るので、自作派は別の店で(笑)。
自宅で作って食べるたこ焼きは美味しいのですが、先般日本の海外調達先としてかなりの量を輸入していたモロッコが日本向けのたこ輸出を水産資源枯渇防止策に禁漁として輸出も禁止した事から店頭に並ぶたこの値段が跳ね上がり、自宅で作る楽しみが遠のいてしまいました。ちょっと残念です(よく見かけた「たこ(モロッコ産)」って見ないでしょ?)。これも大阪人がタコ焼を食べるせい?
2006/01/19
ヘルメスソースの製造元が「石見食品工業所」が正しい所を「岩見食品」と誤って記載していた箇所を訂正しました。