トランジスタ技術誌2000年7月号(PIC AVR製作パラダイス)で掲載されていた簡易オシロを作り始めました。かなり古い記事に掲載された内容の製作になります。
ちょっと時間がかかりそうなので、経過を順次掲載することにしました。
手元にオシロスコープが無いのが痛いのです(だれか安く譲ってくれませんかねぇ?)。エフェクタ作りをしていて波形でどのように歪んだとか変化したとかを確認の意味も含めて視覚的に見たいのですが、なかなか中古といえども入手しきれていません。それでは、と、簡易とはいえ作ってみようと思い立ち、過去の記事を記憶に頼って掲載誌を引っ張り出してみました。
使用しているPICは16F877です。16F877Aがリリースされる前の製作記事なのでデバイスは改良型のA付きではありません。現在(2005/08/11)、秋月電子では16F877Aより高い値段で販売されています。とほほ。
入力のアナログ部のOPアンプもTL072ですのでスルーレートも低く、16F877が20MHzで動作しているとはいえ、あまりサンプリングレートも高くないので対応できており大丈夫なようです。
A/D、NTSCへの信号出力(RGB)までをPICで処理していますので、動作の基準はNTSCの水平走査周波数に依存してしまいます。ストレージオシロとしてA/D変換でデジタル化されたデータは外部のSRAMに保存されて、そのデータから表示データが作り出されます。
一番の難関は+5Vから±15Vの電源を作り出すDC-DCコンバータでした。正規で購入すると結構な価格です(出力にもよるが2〜3千円は覚悟)。なんとか手ごろな価格の物が無いかと物色していたところスポット放出で使えそうなものを安価に入手できたためやっと製作に着手し始めました。
もともと秋月電子で購入した部品などがベースになっているようでしたので、主たる半導体の16F877-I/Pと、RGB-NTSCコンポジット変換をしてくれるCXA1645P(通販番号I-00017:現在は販売終了)などを他の用途の部品とともに注文しました。
このCXA1645Pは、便利そうなのですが秋月のRGB-NTSC変換キットが廃版になっているので、 ひょっとすると近い将来に通販品目から消えるかも知れません。
買い揃えた部品たち
パーツケース上段左からコンデンサ類、TL072、16F877
中段左からCXA1645P、62256(600mil)
下段、コネクタ類と抵抗類
つまみつきの部品は左から
・レンジ切り替えのロータリースイッチ
・垂直位置の設定の可変抵抗器
・ロータリーエンコーダー
基板上には+5Vから±15V/50mA出力のDC-DCコンバーター
その下に300milの62256、その右に3.579545MHzの映像信号用の水晶発振器
16F877、CXA1645Pと3.579545MHzの水晶発振器、0.1μFの積層セラミックコンデンサと基板は秋月電子から、その他の部品は日本橋を徘徊して(デジット、シリコンハウス、ニノミヤ、その他の店舗)入手しました。すべて1日で買いまわったわけではなく、徐々に集めていた主要部品の集大成です。特にロータリーエンコーダーは何かに使えると思って2年以上前と、かなり以前に入手したものです。
秋葉原なら簡単にジャンクな部品が混じっていてコストを抑えることができる状態でも1日ですべてそろうでしょう(そう、思うとやっぱりくやしい)。
まずはここから部品配置と、おおまかな配線のプランを考えていかなければなりません。電源部、アナログ入力からPICまでのメイン部分、NTSC出力となるビデオ回路周りと3つのモジュールにして組み立てを行う予定です。
メインとなる+5Vの電源供給のための元電源もどうするか思案中です。素直に±15Vと+5Vの電源をトランスから整流し、3端子レギュレータで作り出すか、それとも+5V出力のスイッチング電源を利用するかまだ悩んでいます。アナログ量を扱うことからスイッチング電源は避けたいのですがそうすると更にトランスと整流回路、平滑コンデンサ、3端子レギュレータ7815/7915も必要です。
悩ましい・・(趣味だとこの悩んでいる時間が一番楽しいのですが)。