ICクリップといえどもやはり普通の物は付け辛いですよね。
基板上に実装してしまった場合はI/OのモニタリングのプローブをICのピンに取り付けるのに大変難渋します。ICソケットで実装している場合はこんなゲタをかませてプローブを付けやすくします。
実体は下段は通常の丸ピンのICソケットですが、そのピンの穴に上段のソケットのピンをハンダ付けしてしまい延長ボードの要領でピンのプローブ取り付け性を向上しています。ミソは上段のソケットで、昨今はあまり見なくなったラッピング用のICソケットです。これはピンが太かったり幅広くない上に、長くしっかりとしているのでピン間距離も確保でき、このような用途にはうってつけです。
外してしまっているが、長い足の部分にICクリップでプローブを付ける
デバイスのリードからターゲットまでの距離が伸びますので、浮遊容量性の負荷やインダクタンスが生じる事から悪影響が無いとは言えませんが、ICクリップでピン間ショートさせてデバイスを破壊するよりは絶対にマシです。この浮遊性容量が問題となるような高周波領域か高精度アナログ量、グリッチの発生する信号等の取り扱いをしなければこれで十分です。
I/Oモニタリング用のICクリップ以外にも、テスターのリードに接続するためのICクリップ=ワニ口クリップなどのケーブルを用意すると、特定ピンの電圧測定を手放しで測定・モニタリングできるので大変便利です。
PIC専用と割り切って作るのであれば、電源ピンの+とーに当たるピンの間にバイパスコンデンサーを付けてしまうのも良い方法かも知れません。
気をつけなければならないのは、このゲタソケットを外してデバイス直付けにした時に逆にトラブルが出ないようにしなければなりません。ICEを使う場合もそうですが、微妙にプローブの浮遊容量等でノイズが抑えられて外すとトラブルに見舞われる事もありますので「外すとこんなこともあるんだ!」と納得した上で使う必要があります。
「ちょっとこのピンの電圧/信号を見たい」という用途に大変重宝します。特性を知った上で使えばトラブルメーカーになりませんので一つ作ってみてはいかがでしょうか。でもラッピング用のICソケットって高いんですよね〜。目的のピン数のソケットを日本橋で簡単に見つけることができるのはニノミヤ電子部品売り場だけでしょうか。