大阪ではハンパもの、または三流品の事を「パチもん」と呼びます。
近年になり、三流品以外にも本物を騙った(パクった)偽物についても「パチもん」と言う事が多くなりました。写真の「鉄わん波平」はまさにこの意味での「パチもん」です。ポケモンも偽物に進化すると「パチモン」になります(笑)。
この「パチもん」と呼ぶ習わしですが、大阪以外では「パチモン」が正しく伝わらなかったのかその地方で発生した言葉なのかはっきりしませんが「バチモン」とか「バッチモン」と呼ばれる事もあり、大阪人からすると「ちょ〜っと、ちゃうで。その言い方がそもそもパチもんや!」とツッコミを入れそうになります。
最近は偽物、まがい物に対しても「パチもん」と呼ぶようになりました。「なんかそれ、パチもんくさいなぁ。」と言えば偽物臭い意味を示します。
鉄わん波平を生んだ十三ですが、一番メジャーになったのは一世を風靡した「サザエボン」でしょうか(サザエさんと天才バカボンのパパの合体)。他にもレゲエボン(レゲエドレッド頭のバカボンパパ)とかアムロ波平(安室奈美恵な格好をした波平)などの迷作もあるようで、キャラクターの著作権等全く有ったものではありませんね(笑)。
さて、このサザエボンブームの最中、ニュースになったことで全国区に知られてしまい、一部地域のノリで掲げていた看板も全国の知る所となってしまったのです。長谷川町子美術館も当然著作権の侵害を(そりゃそうだ)訴えて対策をするように申し入れをしたらしく、下の写真のように電飾看板にカバーが付けられてしまいました。
当初、「鉄わん波平」と書かれた部分はこの看板の下部のUFO様の得体の知れないモノでカバーされており、表記は見えませんでしたが、いまやちゃっかり表記が表に出ています。
オリジナルのデータが紛失してしまっため粗い解像度の物しか残っていません。ご容赦を。
撮影はたぶん2001年頃と思われる
しかしながら、そこはしぶとい大阪人。ちゃっかりと外から見えない所だけ上の写真のような看板にしてしまい、中に入ると2枚目の写真のごとくそのまま「鉄わん波平」のオンパレード状態でした。このときは「鉄わん波平」の文字もUFO様のもので隠されています。
ここ最近はほとぼりが冷めたと思ったのか外から見える位置の電飾看板も1枚目の写真のごとく堂々と掲げられています。したたかというか、図太いと言うか。ちゃんと長谷川町子美術館や手塚プロと和解したのかどうかは預かり知らぬところです。
当のサザエボンなどについては著作権侵害という事で、長谷川町子美術館、手塚プロダクション、赤塚不二夫氏から訴えられて裁判になり著作権侵害という認定がされ販売差し止めがなされています。
怪しげな三流品や、オリジナルを騙る偽物をみたら「あ、パチもんや!」です。
でもパチもんを生んで育てた文化も大阪ならではなのでしょう。いや十三ならではでしょうか。