丸ビルの角で待ち合わせ~。てな冗談は大阪でしか通用しません。
電光掲示板撤去後の丸ビル
大阪駅前の目立つ場所にあることから、屋上部分に電光掲示板を設置して情報を流して広告収入も得るというモデルでされていたのですが、長引く不況で維持することも厳しい状況に。
残念ながら随分と昔に電光掲示板は撤去されてしまいました。
丸ビルは有名な逸話がありまして、戦後のどさくさに引揚援護局として使用されていた跡地に勝手にバラックを建ててそれを貸して賃料取ると言う太々しい商売をしていた人物によって不法に占拠された事に対して、土地の所有者だった吉本春彦氏は土地を取り戻すために大量の建設労働者とブルドーザーを投入し、強制的に1日で自分の所有地にある建物を全て破壊して撤去する事で取り戻します。いわゆる「梅田村事件」と呼ばれる事件です。
ここでのちの法律を変えるきっかけとなる訴訟が行われました。
さらに太々しい事に撤去されて商売ができなくなっていた人物から訴えると言う斜め上の展開になります。建造物破壊に対する民事訴訟は勝訴しますが、建造物損壊容疑による刑事訴訟は一審では敗訴して有罪判決が下されてしまいます。続く控訴審二審の高裁で逆転勝訴し無罪を言い渡され結審しますが、このような他人の土地に勝手に建造物を建てさらに占有し所有権を得ようとする行為は不法占拠であるにも関わらず立ち退かせることが実質的に難しい状況でした。それを改めるため新たに「不動産侵奪罪」が成立・施行されるきっかけとなりました。
吉本氏の思う「勝手に建物を建てられて占拠状態の自分の土地を取り戻して何が悪いのか!」が、不動産侵害罪が施行されるまでは通用しなかったのです。
吉本氏のような強制排除をせずに不法占拠者たちに律儀に立ち退き料などを支払いして建てられた駅前ビルにはパチンコ店や消費者金融のテナントが溢れるビルが建てられています。吉本氏の建てた大阪マルビルとは雲泥の差であり、どのような不法占拠者たちがいたのかを窺わせる現状と言えるでしょう。
ちなみに吉本晴彦氏は「大阪ドケチ教」の教祖様だったりします。
「ケチ」と「しみったれ」とはお金の使い方が違うと言う良い例と言えるでしょう。