ちょっと74HC595に似たデバイス。
TD62801実験基板
面白そうな蔵出放出品が出ていたので入手したラッチ付きシフトレジスタ・ドライバであるTD62801Pで遊んでみました。
もうディスコンですがデータシートによると東芝のサーマルプリンタの印刷ヘッド駆動用に特化したドライバICのようです。マーキングがレーザーではなくスタンプというあたり、古さを感じさせてくれます。
普通にLEDを光らせるだけなら74HC595で同じ事ができます(過去の記事はこちら)が、こちらはより高い電圧で大きい電流を流す事ができます。出力が吸い込みも吐き出しもできるCMOSの対称構成ではなくオープンコレクタのため吸い込み方向にしか電流が流せませんが電源電圧に関わらず出力には24Vまで利用でき、電流は60mA(推奨値、最大定格はそれぞれ26Vと70mA)まで流せます。
他にもシリアルデータ伝送のクロック周波数が74HC595の55MHz(最大77MHz)に比べると格段に低速で最大が500kHzとなっていて二桁遅いですね。
Arduinoと接続中
制御基板は秋月のArduino Diecimila互換キット
実験基板を製作しArduinoで低速クロックを考慮したスケッチで動作検証してみました。
ランダムなパターンを表示させ、ENABLEにPWMを利用して点灯開始から徐々に明るさを減衰させるサンプルです。1バイト送出するのに出力端子がバタついてもヒトの目では認識できない速度なのでデータ送出中でも出力を固定するLATCHは利用していませんがこの程度の用途だと問題は無さそうです。サーマルプリンタのヘッドをドライブする場合はちゃんとLATCHをかけないと意図しない印刷出力がされてしまうでしょうが単にLEDを点灯させるぐらいならこれで十分でしょう。
このデバイスはシリアルデータ入力だけでなくシフトレジスタから溢れたデータを出力する端子もありますので、複数デバイスをカスケード接続することによって同時出力数を増やす事も可能です。複数デバイスを同時に制御する場合はLATCHを使ったデータ送信は必須になると思います。
もうクリスマスは過ぎてしまいましたがイルミネーション系にも応用できそうです。通常のLEDではなく20mA以上流せる高出力LEDも使えますしLEDドライブに高い電圧が使えるので複数LEDを直列接続した接続法も使えます。
使用法も理解しましたのでゆるゆると何かを製作しようかと目論見中。ただしいつになるかはわかりません(苦笑)。
サンプルで使った参考スケッチはこちら(右クリックで保存してください)。