昨年末近くから不調の洗濯機を修理。もう12年も動いてくれてるしなぁ…。
ロック機構ボックス
洗濯物を入れて扉を閉めてスタートボタンを押すと機械的にロックが掛かるのですが、そのロックしました信号が検出されずエラーとなってスタートしない状況。
前からロックするソレノイドはちゃんと動作しているのですがロック確認表示が出たり出なかったりとご機嫌ナナメになっていたところ、ついに完全にロック確認表示が出なくなりました。
修理に出そうかとも考えましたが何せ12年選手の洗濯機。保守部品も残っているかどうかも望み薄です。持ち込みなんてできませんから出張修理となり、それだけで修理費用がどれほど高額になるのか想像もつきません。
単純にロック機構の確認信号のスイッチ周りだと修理できるのではないかと外装パネル類を外して目的のロック機構ボックスを見つけ、ボックスを開けて中身を確認。
ソレノイドの外装がちょっと腐食した跡がありましたが、それ以外にはどこも外観からの不調が見当たらず。
2つあるマイクロスイッチのうちソレノイドに連動して動作する方のマイクロスイッチが故障しているようです。マイクロスイッチはオムロン製のヒンジ・レバー型微小負荷タイプで単極双投(1c)のマイクロスイッチD2F-01FL-D3です。導通チェッカーで確かめたところ扉の閉まったことを検知する側のマイクロスイッチ(右側:茶色配線)はちゃんとオン時に配線が接続されている端子間に導通がありましたが、扉ロックソレノイド側の動作検知マイクロスイッチ(左側:青色配線)はNO(常時開)もNC(常時閉)のどちらも導通無しと内部の接点が完全におかしい状態。これではロック確認の信号が検出できないのでエラーとなって洗濯が開始されません。ソレノイド外装が少し腐蝕している状況から見てなんらかの液体が流れ込んできて侵蝕したのではないかと考えられます。マイクロスイッチの接点は金接点仕様なのですが耐えられなかったのでしょう。
問題のマイクロスイッチ
右側:故障取外し品/左側:新品
部品を取り寄せて同じ端子に接続・交換し機構ボックスの中を清掃して元に戻して組み付けたところ、無事に正常復帰し洗濯できるようになりました。交換に当たって使われていたハンダが無鉛タイプのものだったらしく、なかなかうまくハンダ付けできず。ノリは悪いしすぐに表面がザラつき有鉛ハンダとはやはり勝手が違います。大手企業からするとRoHS指令は遵守しなければなりませんので仕方ありません。
分解したマイクロスイッチ内部
外したマイクロスイッチはどうせ再利用することは無いので分解して中身を確かめたところ、コモン側電極が緑青を吹いているぐらい腐蝕していました。こちら側のマイクロスイッチの近辺には外部から強制的に機構を動かしてロックを外すための引き紐がついていて外部とは開空間に近い場所ではあります。外部から液体の侵入した形跡がありませんでしたので乾燥動作時の蒸気成分で腐蝕が進んだのかもしれません。少し力を入れるとコモン電極の溶着接合部分が外れて分解してしまいましたので今まではかろうじて物理的につながっていただけだと思われます。これでは確実な導通は望めませんので動作不良も当たり前です。
無事修理完了
ロック確認信号が検出できている
今回のトラブルを起こした洗濯機は今回の不具合以外には一切悪いところが無くて修理依頼するか買い替えるかだいぶ悩んだ挙句、一度スイッチ交換修理を試みてダメだったら制御基板側の不具合も考えられ、その場合の修理費はかなり高額になってしまう事も予想されます。ならばこれでダメなら寿命だと考えて買い換えようと腹を決めて臨んだところ、たった200円程度の部品1つで洗濯機そのものを買い換えという財布に大ダメージなイベントは回避することができました。
しかし今から10年以上前の白物家電製品は存外と丈夫なものだと感心します。
注意事項:
お約束ではありますが…一応宣言しておきます。
今回の自己修理はあくまでも個人の責任の範囲でおこなったものです。メーカーの保証対象外ですし、確実に不具合が復帰できるとも限りません。
おこなった処置によっては事故や火災につながる事もありますので推奨致しませんし、このブログを見て自己修理なさった事によって生じた一切のトラブルに対して当方は全ての責任を負いません。あくまでも自己責任と言う事でご了承下さい。