理想郷

 トマス・モアの小説に出てきます。

ユートピア
 ユートピア

 一般的には理想郷と思われていますが題名にもなっているユートピアはギリシア語のοὐ(無い)とόπος(場所)を組み合わせた造語で「どこにも無い場所」を意味します。小説の舞台となったユートピアは時代背景を表していて当時の貴族社会・特権社会を痛烈に批判する内容で国によって衣食住を補償され、華美な衣装を排除し実用一点張りの粗末な衣装、怠惰な生活とは真反対の規則正しい生活、誰もが労働に従事し格差も無い代わりに個性も否定する。そんな管理・監視社会というより全体主義・社会主義のような生活を描いています。
 怠惰で我儘で非生産的、身分格差のある貴族社会とは真反対でトマスにとってはこの世界のどこにも無い理想的な世界だったのでしょうか。
 ユートピアとは本来理想的な社会「理想郷」の意味ではなく普通に理想郷として描かれるアルカディアと実は真逆のような世界なのです。ちなみにユートピアの対義語はディストピア。

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