ビルに沈む街

 お初天神の参道に位置する雑居地域。

お初天神裏参道を眺む
 お初天神裏参道を眺む

夜のお初天神裏参道
 夜のお初天神裏参道

 曽根崎二丁目に位置する小さな店の雑居地域。最近(2015年)になって古民家やビルをリノベーションして「お初天神裏参道」の名称を付けオープンしました。現在(2023年)では18店舗が並んでいます。
 近松門左衛門の戯作『曽根崎心中』により一気に有名になった曽根崎。大昔は大阪湾全体の中洲だった島で石が多くやせた土地である『曽根・埆』を意味する荒れた孤島で曽根崎洲あるいは曽根洲(そねのしま)と呼ばれました。曽根洲は難波八十島祭の一つの住吉須牟地曽根ノ神(スミヨシスムチソネノカミ)を祀った祠があったことから名付けられたようです。南北朝時代に渡辺十郎源契や渡辺二郎左衛門源薫ら一族が移住し露天神社を鎮守の神として田畑を拓いて農業を始め周辺が整備され村としての体裁が整えられていきます。
 明治以降は映画館や娯楽場が多くあったのですが先の大戦で大きな被害を受けた後の復興で現在は小さい飲食店が多い地域となりました。
 周囲に大きなビルが立ち並び上から見ると上の写真のようにビルの中に沈む街のようになってしまいました。戦後の混乱で土地の権利関係がややこしいのは十三の小便横丁と同じで再開発には土地の権利関係と区画の境界線などで相当ややこしかったようです。

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