一番最初は譲渡だったのですが…。
ぱんだ
絶対に着ぐるみで背中にファスナーが付いていて、中にはオッサンが入っているに違いない動物園の人気者。正式名は『ジャイアントパンダ』、中国語名『大熊猫』。中国の高地に生息するクマ科の動物で自然の中に居ながら周囲に溶け込む補色の体表色ではなく派手に目立つ白と黒とのツートンカラーが特徴です。
繁殖力が低いにも関わらず生息地に天敵も餌の競争もなかった事でこの配色でも絶滅せずに生存できたのでしょう。
非常に偏食で竹を主食とするのですが本来は肉食の動物です。調査が進んではいるのですが、なぜパンダはササ・タケを消化できるかははっきりわかっていません。パンダ特有の腸内細菌がセルロースの消化を助ける働きを持つであろう種類が見つかっただけで、実際にどうして消化できてカロリーを摂取できているのかは、まだまだ謎に包まれています。
中華人民共和国(以下、中国)はパンダを外交の手段に用いており友好関係を確立したと思われる国にはパンダが外交特使として遣わされます。ごく初期は譲渡されていたのですが、後に有償譲渡・レンタル形式に変更されました。
恩賜上野動物園に日本に初めて訪れたパンダであるカンカンとランランは譲渡でしたが、後に続くパンダ外交では有償での引き渡しとなり、オリンピックの年に中国はロサンゼルスにパンダを贈るのですが、これは月額5万ドルのレンタルでした。以後は全て貸与という形で中国はパンダを外交に用いています。恩賜上野動物園では年額95万ドルのレンタル料を支払っていて、中国にしてみれは格好の外貨収入源と言えます。
日本でパンダと言えば恩賜上野動物園の認知度が高すぎて他にパンダが動物園にいると思われていませんが、過去には王子動物園で飼育展示していました。残念ながら2010年にオス(興興:コウコウ)が死亡したことから飼育展示は中止されており、次の飼育展示のために新しいオスのパンダ受け入れ準備をしている状態です。
意外に知られていないのが和歌山のアドベンチャーワールド。常に数頭が飼育されており、日本で一番繁殖実績を持つ場所です。実際に中国のパンダ飼育員が現場視察と研修を兼ねて訪問されることもありました。繁殖により増えたパンダを逆に中国へ返還した事もあるパンダなら此処一番の場所です。
ちなみにあのツートンカラーと行動で愛らしいと感じているだけで全身黒や白になったとすれば単純に普通の獰猛な熊にしか見えません。動物園で飼育員が襲われる事案も発生しており本来は決して愛らしくて大人しいとはいえない野生のクマなのです。