亀の集

 今はやっていないそうですが。

亀池
 亀池

 四天王寺六時堂のそばにある亀の池。
 なぜにこんなに亀がたくさんいるのでしょうか。
 仏教では不殺生の教えから殺生を戒めるため捉えた動物を放す事で功徳を得る放生会というイベントがあります。四天王寺では寺銭を確保するために亀を放つ放生会が行われていたため、この池にたくさん亀が生息するの状況に至ります。
 この放生会ですが言ってみれば放した亀をまた捕まえて放生会に使うために売りつけているわけで、今からすれば阿漕な商売といっても差し支えないかもしれません。
 放生会に使う亀は放すまで持ち歩けるようにされているのですが、ここに江戸と大坂の違いがありました。江戸では亀を胴体の真ん中を紐でくくって吊るし歩けるように売られていましたが、大坂では竹の筒の上に乗せて足を着けられないようにした状態で売られていました(参考図:街廼噂より)。
 元は日本在来種のクサガメだったのですが、外来種が出回り放出すると生態系に影響があるという事で放生会は行われなくなったのですが勝手に放生会する輩がいるらしくミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)が一時勢力を増していたらしく排除されるなどして生態系を守っていたようです。現在ミシシッピアカミミガメは外来生物法(特定外来生物等に係る被害の防止に関する法律)の改正により2023年4月1日の施行から特定外来生物に指定され放出だけでなく飼育も禁止されています。
 甲羅干しの場所でのんびりと過ごしている亀を見ると心が和みますが、多く集まった亀が積み上がって雪崩れ落ちるといった事故?もあるそうです。

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