USB_DOUT2706kitのDAC(PCM2706)よりグレードアップを目指します。
DAC_1792_B D-Aコンバータ単独基板
先日の製作体験会の余時間でサクッと製作
PCM2706内蔵のDACも結構良い音がするのですが、さらにアップグレードしたDACに着手しました。Texas Instrumentsの電流出力型DACであるPCM1792Aを使ったデジットの独立実験基板であるDAC_1792_Bキットです。192KHzで24bitでI2Sにも対応。
このキットはBURR-BROWNが限界性能へ挑戦し、音質にこだわり抜いたDACであるPCM1792Aを採用しています。現在はTIに吸収されていますがハイエンドなアナログ製品を生み出すブランドとしてBURR-BROWNはそのまま継続しており、デバイスのマーキングにも誇らしげにBBのロゴが刻まれています。
このデバイスは、LUXMANのSACDプレイヤーであるD-05/D-06/D-08や、USB対応DACのDA-200をはじめ多くの製品に採用しているほか、OLIVE 4 HDやYAMAHAのNP-S2000などと言ったネットワークプレーヤーにも採用されており、数々のハイエンドオーディオで活躍しています。
PCM1792A
BURR-BROWN/Texas Instrumentsの192kbps-24bit対応DAC
PCM1792Aは平衡電流出力ですので、実際にオーディオ信号として利用するにはI-V変換を行い、平衡〜不平衡の変換を行ってシングルエンド出力をしてやる必要があります。
今回の製作ではPCM1792A周辺の基本的な回路のみですので、電流出力後の処理回路を別途製作しなければなりません。また、製作対象が増えてしまいました。とほほ。
デジットの応用編資料等を拝見すると、I/V変換OPAMP_B基板を、平衡〜不平衡の変換にTexas Instrumentsの平衡ラインレシーバのINA2134を使ったBALUN_2134基板を組み合わせていますが、ここはすべてオペアンプ構成で一つの基板にまとめてコンパクトに作る予定です。usb_dout2706とDAC_1792_B基板と後段のI/V変換と平衡〜不平衡変換のアナログ回路の基板を含めてをなんとか「わけありケース」に全て納めたい所です。
現状、USBからI2Sへの変換はusbdout_2706kitを経由してそのままDACであるPCM1792AへI2Sで流し込みという最短距離での構想。ただし、PCM2706は44.1kHzもしくは48kHzのI2S出力の16bitしか対応していません。それに比してPCM1792Aはハードウェアモードでは24bitがI2S入力のデフォルトで外部のハードウェアから設定が変更ができないのです。デジットの製作例ではS/P DIF入力から24bit I2Sへ変換するためにDAIトランシーバーでWolfsonのWM885を使ったDAIトランシーバ独立実験基板 WM8805G基板をDACの前段に置く構成を提示しています。こうすると、24bitの足りない8bit部分はゼロで埋めて24bitデータに仕立てて出力され、受け付ける事ができるようになります。
これはハードウェアモードだけで動作を目指しているためなのですが、実際にデバイス自体はI2Sの16bitに対応していますので、ソフトウェアモードを利用して外部のワンチップCPUなどからI2Cで内部レジスタを変更してやり、正しく動作するように設定してやると直結できます。
アップサンプリングして192kbps-24bitにしてからPCM1792Aに入れるのもありですが、無い情報を補完して水増しして良い音になるのかは疑問なので見送りです。
ソフトウェアモードで内部レジスタをI2Cで通信・設定するデジタル系が別途必要になり、USB-I/F、DAC、I/V-平衡〜不平衡変換に加えて制御基板と4枚の基板を納めなければなりませんので、けっこう詰め詰めになりそうです。
これらの回路に供給する電源を含めると、1つのわけありケース(中)に収まらないため、電源を別途用意する必要があります。
オペアンプ系に±15Vを、PCM1792Aにアナログ系で+5Vとデジタル系に+3.3Vの電源を供給しなければなりません。動作確認をするにもこれらの電源を先行して製作する必要があります。もう、泥沼状態(涙)。
制御基板はできれば音量調整ぐらいは行いたいところですが、表示にLCDを使うかどうかは検討中。単純にアナログボリュームを接続して、その値をA/D変換して読み込み、PCM1792Aの減衰量設定レジスタを設定する表示無しの方法もありますのが、第一候補としては単純なUSB-DACユニット化を目指してみます。