本日から牛の生レバーの提供が禁止になりました。
「本日生レバー有ります」
食品衛生法の改正で牛の肝臓を生食用として提供する事が7月1日から禁止されました。
この写真は前日まで貼ってあった駆け込み需要を期待した店の貼り紙です。まあ、駆け込み需要はかなりあったようですが、おかげで食べる人も多かったせいで食中毒患者もそれなりに(笑)出たようです。
O-157やO-111などのヴェロトキシン産生腸管出血性大腸菌に感染して重症になったり死亡例もありますので、確実に安全であるかと言われると安全ではなくどちらかと言うとリスキーな事は間違いありません。
腸管出血性大腸菌は他の菌と比べて数個の侵入を許しても感染・発病しますので、よほど衛生的な状態で殺菌処理が行われていない限り通常の調理状態では菌の付着した肝臓を調理しただけで調理場全体に感染源をばらまいている状況になってしまい大変危険です。
法が施行されましたので守らなければならないのですが、脱法行為も蔓延しそうです。加熱用と説明・提供しても客が生で食べれば店の責任にはならないという論理も成り立ちそうなので抜け道がいっぱいと思えるのですが…。
ちなみに「レバ刺しを提供した飲食店は2年以下の懲役、または200万円以下の罰金」と大変厳しい罰則がありますが、レバ刺しが原因で腸管出血性大腸菌での食中毒事例はそれほど多く無いのが実情です。
発症すれば重篤になりやすい点を除いたとしても件数は「ノロウイルス」と「カンピロバクター」ダントツで、「サルモネラ属菌」や「ウルシュ菌」「ブドウ球菌」などが続きます。
平成23年度の厚生労働省の統計によると全体の32%がカンピロバクター、28%がノロウイルス、6%がサルモネラとなり、腸管出血性大腸菌・病原性大腸菌・ウルシュ菌がほぼ同率の2.3%程度となっており、どちらかというと原因菌としては少数派で、原因としては植物・動物の自然毒の6.5%の方が高いくらいです。ただし、死者発生率は腸管出血性大腸菌がダントツではあります。
まあ、ふぐの白子と同じでそこまでして食べたいのならご自由にとしか言いようがないのですが。