アナログのディスプレイドライバーって用途が少ないせいか、あまり選択肢がありません。
10点リニアレベルメータ
LM3914N-1でドライブ、上下限は半固定抵抗で設定
東芝のTA7612Pが既にディスコンになっており、東芝半導体のウェブ(東芝セミコンダクター社)で検索してもついに見つからなくなってしまいました。
アナログでリニアスケールのLEDディスプレイドライバーとなるとなかなか用途が少なくなってきたせいもあり、品種が限られてしまっています。
なにか代替品で同様のものが作れないかと思案したあげく、今回はナショナルセミコンダクタ−社のLM3914N-1を試してみます。
このデバイスはリニアスケール10点のLED駆動可能、カスケード接続により20点以上の表示が可能、さらに電源電圧も最大35V(データシート上は12Vでの特性記載が多い)など非常に用途が似通っています。違いとしてはTA7612はバーグラフ表示しか出来なかったのに対して、LM3914はバーグラフ・ドット表示のどちらかを選択する事ができます。
また、LED点灯のための負荷抵抗も1つで済み、実装にも配慮されるようになっています。機能的に外付け回路等で多種多様な目的に利用できそうですのでTA7612に比べるとはるかにいろいろな表示や用途ができます。デバイス供給電圧と表示素子への供給電圧が違っても大丈夫で、出力耐圧も25Vあり、VFDもドライブできるようです。
しかし、いかんせんこのデバイスの採用については高額である点がどうしても辛い。
日本橋の店頭価格では1000円前後もしくはそれ以上の価格が付いており、気軽に使えるデバイスとは言い難い価格なので、趣味の電子工作をしている人間には痛い出費です。
対するTA7612Pは今年に最終ロットが出荷されて、流通・店頭在庫しか無くなってしまうため、手に入れたい方は今のうちに購入しておくのが良いと思います。
また、動作時はかなり発熱します。放熱器を付けたいぐらいの温度になり、ディレーティングをしっかりしておくか、LEDの点灯をするためにさらに外付けのトランジスタ等を使って点灯させる等、パッケージ単体の消費電力を抑えて使うのが良いかもしれません。
対するLM3914N-1はデバイスの発熱もはるかに少なく、使用環境にも配慮があると思われます。
しかし高い!
ソフトウェアを自作する程度と労力をいとわないアマチュアからすると、やっぱりA/DとVREF+、VREF-のついたPICあたりで測定・表示させるのが一番の安上がりか・・・。
2007/04/02 追記
件のTA7612Pですが、2006年の5月で東芝から最終ロットが出荷され、今後は製造されない廃品種となりました。
おかげで店頭価格がプレミア付きなのかLM3914より高くなってしまっています。入手性と出力電流のドライブ能力を考えるとLM3914の方が使い勝手が良さそうです。
2007/07/02 追記
LM3914ですが、日本橋でも価格がこなれてきたのか、秋葉原とほぼ同じ価格で店頭に並ぶようになりました。
以前はちょっと、手を出すのを戸惑うぐらいの価格差だったので、ちょっと直視が動きます。
サトー電気http://www2.cyberoz.net/city/hirosan/jindex.htmlではLM3914N ¥357(本体340、税17)10ケ¥3150 で取り扱っていました。
藤崎さん、コメントいただきありがとうございます。
そうなんです。関東では300円台後半ぐらいで入手できるのですよ。大阪日本橋ではその値段での取り扱いはないようです。
通販で購入する場合いつも悩ましいのは、送料がついてしまうことから、まとめて購入しなければ送料のほうが高くつく場合があり、ついつい躊躇してしまうことです。
実際にNationalSemiconductorのサンプル調達で入手しようと思えばできるのですが、そちらは1000個以上という条件がつきますがデバイス1つあたり$1ちょっと。また、フリーのサンプルを最大5個までもらえるのですが、送料で$10以上つくことから、悩んでいます。
海外半導体の調達ではいつも、すごく悔しい思いをしています。DigiKeyなどの海外通販も考慮中ですが仕事ではないのでなんとも・・。
情報いただきありがとうございました。