展示車両などをご紹介。鉄分たっぷりです。
DD51 759
DD51 1188
入り口すぐで今回はディーゼル機関車のDD51が二両でお目見えです。
機番759は切り文字で機番1188はブロックプレート式になっています。
どちらも重連運転のための重連総括制御装置を搭載した全重連形で61,070ccのV型12気筒インタークーラ付きターボディーゼルエンジンを2基搭載しています。出力はエンジン1基あたり1,100psとかなりパワフル。
微妙に廃車待ちの雰囲気があるのは気のせいでしょうか。
DE10 1048(1000番台)
その横にさらにディーゼル機関車のDE10が展示されています。
DD51はエンジンを2基搭載していますが、DE10 1048は同型のエンジンの強化・改良型で通常のDE10よりさらに出力アップをしたエンジンを1基搭載します。出力は1350psとさらにパワフル。
この機関車、仕方が無かったのかもしれませんが運転席が横向きに付いていて、運転手は常に横を向いて運転しなければならず、長距離運用はかなり苦痛だったそうです。もっとも用途が短区間での折り返し運転や入替作業を想定していたこともあり、進行方向を前後と変更しても運転手は首を振るだけで対応できるというメリットの方が大きかったのでしょう。
DE10 1588(1500番台)
さらにDE10が展示されていました。国旗に賀正のお正月バージョンでデコレーションしています。
DE10 500番台を1000番台と同じエンジンに換装したもので、ちょっとうれしい扇風機が装備されました(やっと!)。
JRFの入替専用色に塗色が変更されています。構内の入替作業に運用されているようですが、そろそろ廃車かもの雰囲気です。客車列車と違い塗装のやり直しなどあまり無い貨物機関車であるとはいえ、もうちょっとキレイにして展示車両として置いてほしいものです。
EF210-301(300番台)
今回の目玉機関車だと思います。
今年の9月に工場から出場したばかりの新品機関車。順次廃車が進むEF67の後継機として製作されて現在試験中。この機関車は瀬野八の急勾配である22.6パーミル区間での勾配後押機関車として運用するための連結器や標準色と異なる黄色いラインを入れた車体色となっています。
EF67 2(基本番台)(下関側)
先のEF210 301の先輩機関車。
EF60からの改造で、後押し補機として運用されていました。車体は広島の県花であるモミジにちなんでもみじ色と呼ばれる赤に塗装されています。直流機関車としては通常青色が用いられているのですが、例外の塗色のようです。
EF59 21(下関側)
前記のEF67 2の運用区間で活躍したさらに先輩機関車。
EF56形機関車からの改造で、同型車両の中ではこの機番21が最後まで運用されており、この広島車両所で保存車両として留置されていますが、さすがに古さを感じさせます。
EF500-901
以前にもご紹介したぶっ飛び機関車です。
試験運用後の現在は廃車されており運用される事も無く広島車両所に保管。このようなイベント時にかり出されますが、そのうち解体されるのでは無いかと思ってしまいます。
試験運用中は大電力インバータの発する高調波が線路周辺の電気機器に影響を及ぼすほどのぶっ飛びぶりだったそうで、さすがに実運用は無理だったのでしょう。実際に運用されると直流1500Vに交流50Hz/60Hzの3電源に対応する高速輸送の期待の星だったはずなのですが。
EF66 1(一次車)
国鉄色に戻されて徐々に昔の姿を取り戻したEF66の1号機です。
さすがに晴れの舞台である公開イベントには欠かせない存在であるようで、ピカピカになって展示されています。
当日ははやぶさのヘッドマークが取り付けられていましたが実際にEF66がはやぶさ・富士を牽引していたのはずいぶん昔の事です。
EF510-5
EF510-6
共にEF510形の0番台で量産機。EF510 6は運転台公開に、EF510 5は外れたエリアにこっそりと検査上がりのピカピカ状態で展示されていました。
50Hz/60Hz地域を縦断する日本海縦貫線の牽引機関車としてEF81の後継であるEF500が試作されました。前記のぶっ飛び具合がひどすぎて試作で終わり、さらに新型車として交流直流両用のEF510が開発され導入されています。
公募によって得られた愛称の「ECO-POWER RED THUNDER」のロゴが車体側面に入れられています。
EF200-901
改修中の機関車として展示。EF200形電気機関車の試作機で、取付屋根が大きいのと灯火部の周りが灰色な点が特徴です。
性能確認試験で先の瀬野八での列車の起動試験なども行われており、試作機のまま運用に投入されてきました。
1時間定格出力1,000Wの電動機を6基搭載し総出力は6,000kW。最高速度は120km/hまで出るそうですが、定格速度は80km/hちょっとと、一般的な貨物機関車と同じです。マスコンには便宜的にノッチが設けられていますがVVVFのインバータ制御装置は無段階の連続可変が可能となっています。
EF210-117
EF210-145
ともに現在主力運用されているEF210形電気貨物機関車(二次車)で、改修中の展示。
JRFのロゴとともに愛称の「ECO-POEWE 桃太郎」が車体側面に付けられています。
初期の基本番台からインバータ整流素子をGTOからIGBTに変更して、1インバータに対して1つのモータを制御する方式に改められています。EF200形に比べて総出力は1時間定格で3,390kWとやや控えめで定格速度も約60km/hとこちらも控えめ。
おかげで新快速が130km/hで爆走する東海道本線では待避線に追いやられたり快速や普通列車とデットヒート(笑)を繰り広げながら並走したりします。
オマケ
ディーゼルエンジン(DML61ZB)
DE10に搭載されている総排気量61L超のV形12気筒インタークーラ付きターボディーゼルエンジンです。過給器の大きさといい、エンジンそのものの大きさと良いド迫力です。
自重11.7トン、出力1,350ps(992kW)/1,550r.p.m.でボア×ストロークは180×200mmと結構スクエアな設計です。新潟鉄工所浦和工場製で製造は昭和47年10月と銘板にありました。
まあ、払い下げでもらったとしたらちょっと楽しそうな気がしますが、車に付けるには自重10トン以上というのは問題ですねぇ(笑)