前回の続きをコツコツと製作。
AVRマイコン電子工作製作会会場
共立電子産業 本社1Fセミナー室
初日は満員御礼の札止め。二日目も結局満席となり大盛況です。
基本は寺子屋形式で、参加者同士も互いに情報交換したり教えあったりして和やかな雰囲気で行われています。
会場の様子
今回は小学三年生の子供がお父さんにつれられて参加。お父さんも電子工作で鳴らしてきた方で仕込まれたのか興味があったのか、お子さん自らハンダづけしてトレーニングボードを製作。お父さんやスタッフの方にアシストしてもらいながらAVR開発環境を構築して、見事テストプログラムの焼き込みと動作確認まで進んでいました。
その他、提灯の電飾演出をやりたいという方。実際の動画を拝見させてもらいましたが祭りのだんじりの提灯がまるでパチンコ屋のネオンサインのごとく激しく賑やかに点滅したり色が変わったりと仰天の演出。この制御回路を作りたいということでいらっしゃったようです。
蛍光灯を使っているらしいのですが、蛍光灯の高速な点滅制御、自作しようとすると難しいのです。多分インバータで点滅制御をしていると思うのですが、実物を見てみない事にはなんとも。インバータへの点滅制御だけならば簡単ですが。
GPSモジュールから出てくるNMEAフォーマットのデータをUSARTで読み出して位置情報を取り出し、LCDディスプレイに表示させるように開発していらっしゃる方もいます。取り付けるパネルをかっちり奇麗に製作されていました。
今回の製作会では前回に作っていた基板の続きで周辺回路を製作。
OLEDディスプレイコネクタへの配線およびRTCと大気圧センサー、アナログ入力のためのリファレンス電圧の回路を追加。ケース外に引き出すための温度および湿度のセンサー基板を作成、さらにそれらの接続ケーブルを作成しました。
もう少しアナログ入力周りの基板スペースを取っておけば良かったのですが、後悔先に立たずでリファレンス電圧の回路をコネクタを使って別エリアに引き回してしまいました。基板裏で配線を引き回すよりノイズが少なくなれば良いのですが、実際にデータを取り出してみないと何ともです。
環境モニタ基板群
RTC EPSON-TOYOCOM RTC-4543SA(シリアル接続)
大気圧センサー MPL115A2 (I2C接続)
温度センサー Microchp MPC-9700 (アナログ入力)
湿度センサー TDK CHS-GSS(アナログ入力)
VREFのリファレンス電圧にはLM385-2.5を使用して2.5Vを印加します。
これで2.5Vが10bit ADCのフルスケール$3FFになります。ATMega328Pは1.1Vの内蔵リファレンス電圧源を持っており、1.1V以下の測定であればこれを使えたのですが、温度センサーの出力電圧がこの電圧を超える事から外部のリファレンス電圧を加えています。
実はこの外部VREF生成の実装時にはめられまして、LM358-2.5の最小リファレンス電流が8μA(typ)〜20μA(max)でしたので150kΩの抵抗で16.7μAにしていたのです。レギュレータ単体で出力電圧を測定するとちゃんと2.5V付近を出していたのを確認しているのですが、いざAVRのVREFにつなぐと1V以下に。測定したデータも1V以上あるため10bitフルレンジの$3FFになってしまいます。
これはおかしい、と、もう一度AVRのデータシートを見直すとVREFの入力インピーダンスは32kΩしかありません。想像していたより遥かに小さい。アナログなので数百kΩぐらいの高いインピーダンスと思い込んでいましたが、それほど高く無かったのです。
これでは流す電流が小さすぎて、AVRのVREF入力をドライブしきれていない状態。電流制限抵抗を22kΩまで小さくしてやっと解決。いやあ、データシートはちゃんと読んでから回路定数を決めるもので、安易に判断してしまってはダメですね。