配達員にとって配達するお宅の犬は大変困ったものです。
【咬み付かれた】
配達員「×班の○○ですけど。」
局員「お疲れ様です。どうされました?」
配「さっき配達してたらやね、犬に咬まれましてん。」
局「お怪我はありませんでしたか?」
配「いや、それががっちり咬まれてもうて、傷ですんで医者に行きますわ。」
局「先方のお宅には?」
配「家の人に、お宅の犬が咬みつきに来ましたって説明して、場合によったら治療費の請求をさせていただきますかもしれません。とは言うてあるんですわ。」
局「一応、話は通してあるということですね。」
配「ええ、咬まれた傷もその場で確認してもらいましたし、あとは何とかしますわ。」
局「災難でしたね。放し飼いですか?」
配「そうですわ。そら、家の人間ちゃいますから吼えられるぐらいは覚悟してますけど、咬まれるのは堪忍ですわ。」
局「はい、では戻ってから改めて報告をお願いします。お気をつけて。」
配「はい、では戻ってからまた。」
局「ご苦労様です。」
猛犬注意とか札がかかっていても、郵便の受け取りポストが玄関の中にあったり、玄関先に呼び鈴がついてないなかったりしても、書留や速達など直接渡す郵便物の場合は決死の覚悟で玄関先に行くわけです。
ちゃんと鎖などでつないでいてくれればよいのですが、中型・小型犬の場合は放し飼いが多いそうで、追い掛け回されることもしばしば。この例のように放し飼いにより咬まれる状況であれば、当然飼主の管理責任ですので何らかの補償をするのが当たり前なのですが・・・。
客「今日配達の奴が咬まれたっちゅうて治療費どうのこうの言うて、帰っていったらしいけどな、犬に噛まれたぐらいでガタガタ言うな!」
局「は・・・?」
客「だから犬に咬まれたぐらいで治療費とか出す気ないし、ガタガタ言うなっちゅうとんねん。分かったか!(ガチャン!と切られる)。」
と、後で怒りの逆切れ電話がかかってきたらしく、あきれた飼主です。
こういう飼主の場合は自分の家の犬が他の犬に咬まれたらそれこそ鬼の首を取ったかのごとく(飼っている犬と同じで?)ギャンギャン騒ぎ立てて、やれ損害賠償だ補償だと言いまくるに違いありません。
全ての犬の飼い主の方がこのような人たちばかりとは思っていませんし、ごく一般的に常識の有る人であれば、自分の飼い犬が人様を咬んだり傷つけたりした場合、飼主としてまずお詫びの言葉が出るのが当たり前だと思うのですが、どうも自分のペットが他の動物や人に迷惑をかけていようととなんだろうとお構いなし人もいて、向こう(危害を加えられた方)が悪いと言って逆切れする非常識な方達もいるようです。
明らかに配達員がペットに危害を与えて、そのペットに反撃されたというのであれば別ですが、そうではない場合でも飼主は悪くなく咬まれたほうが悪いとか、吼えられたほうが悪いという非常識が常識的な考え方として広まっているのか、事故が起きた時の相手はこのような例が多いそうです。
配達員が犬に咬まれるという例は後を絶たず、配達員からするとこのような咬み付く犬を放っているようなお宅には配達不能ということで局まで取りに来てほしいぐらいでしょう。
飼犬の躾もそうですが、自分の躾も(笑)しっかりとしてほしいものです。
人にも犬にも咬み付かれる家には配達したくありませんよね。
一応、郵便約款によると、ひどい家は配達しなくてもOKなのです。
第81条(人に危害を与える動物により配達が困難な場合の取扱い)
咬癖のある犬その他人に危害を与える動物をその建物の敷地内において飼育し、又はその活動を放置しているため、郵便業務従事者の身体に危害の及ぶおそれがある場合において、その危険を防止する相当の措置が講ぜられないときは、その建物内に居住する者にあてた郵便物は、配達しないことがあります。
と、あり、こんなひどい家はちゃんと犬を鎖につないで、配達人に危害を加えない状態にしてもらわない限り配達しない!と言い切れそうです。
2006/04/14追加
約款の該当項目の記述を追加しました。