劇的に少ない部品点数で製作できます。
TPA6139A2 ヘッドホンアンプ
着せ替えなので外観は同じです(苦笑)
あまり人気が無いのか、このデバイスでの製作例をネット上で見かけない事から試聴も兼ねて、いつもの着せ替えシステムで試作・試聴してみました。
TPA6139A2
メインデバイスであるTexas InstrumentsのTPA6139A2はTSSOPパッケージ(0.65mmピッチ)なので今回は試作ということもありダイセンの変換基板を使って製作しました。実装は半田を流して後からハンダ吹取器で余分な半田を吸い取るという横着実装です(苦笑)。
TPA6139A2 ヘッドホンアンプ回路基板
メインデバイス(TPA6139A2)変換基板は外している
このTPA6193A2は外付け部品が大変少なく構成できるように設計されています。
変換基板の下に隠れているパスコン1μF×2とゲイン決定の47kΩの抵抗以外には変換基板周りに実装された1μFのチャージポンプ用コンデンサと入力のカップリングコンデンサ2.2μF×2しか必要ありません。
昇圧回路部
基板の端でごちゃっと固まっているのはNiHの2.4Vから3.3Vを作り出すためのPFMステップアップ電源部。デバイスの推奨動作電圧が3.0VであることからNiH×2の2.4Vでは少し足りないため昇圧を行っています。
電池に通常のマンガン電池やアルカリ電池を使うのであれば昇圧部は必要ありませんが、私の運用はNiH電池のeneloop主体なので昇圧回路を組み込みました。
ステップアップ電源はHoltekのPFMステップアップDC/DCコンバータであるHT7733Aを使いました。ただし、回路定数はデータシートにあるものからかけ離れていますが…。
HT7733AはそこそこリップルがでるようでしたのでOS-CON 560μF/4Vをパラにして出力部に入れておきました。実際の電源出力波形はオシロで見てみないとわかりませんが、ノイズも無く普通に聴く事ができます。
聴いてみると製作はお手軽な割にフラットでストレートな音が出て、そこそこイイ感じです。あまり聴き疲れするタイプの音ではありませんでした。電源部分のデカップリングコンデンサを増強するともうすこし低音が豊かになるかもしれません。
部品点数が極度に少ないのと、単電源なのですが外付けコンデンサと内部チャージポンプ回路から負電圧を作っている事で出力のDCカットコンデンサが不要、さらに電源オン時のポップノイズもほとんどありません。また、出力も600Ω負荷で25mW取れ、短絡保護回路や温度保護回路も内蔵しており、かなり優秀なデバイスです。
欠点と言えるのはポータブル機器向けのデバイスのはずなのですが結構電気食いなのです。実はアイドル時でミュートしてもしなくても25mAも流れる大食い(データシートに記載の数値)。ポータブル機器の電池運用を前提とした電源事情ではちょっと問題ありかも。
ヘッドホンアンプを自作したいと思って、興味深く拝読させていただきました。
回路図を教えていただけたら、嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
ヒデさん、コメントいただきありがとうございます。
製作したヘッドホンアンプの本体回路はTIのデータシートに記載の回路そのままです(TIの製品情報ページ)。
電源が3.3VですのでNi-H電池1.2Vx2の2.4VからPFM DC/DCコンバータで3.3Vに昇圧しています。昇圧回路もデータシート記載のまま(コンデンサの定数などは変更してます)。
ご参考になれば幸いです。