一部では有名な「月に鹿」が付いている車輛。
D51 882
お寺(麒麟山 真龍寺)の一角にひっそりと佇む蒸気機関車。D51 882が静態保存されています。鷹取式集煙装置、A形重油タンクが付けられた車輛です。
昭和48年に廃車の後、蒸気機関車マニアには有名な共栄興業が貰い受けて寄贈、平成7年にこの状態になりました。
機関車はご覧のように冊で取り囲まれており、直接触ってみる事はできない状態で塗装の一部に劣化は見られますが、屋根の下ということもあり保存状態はまあまあ良好と言えます。
月に鹿
除煙板にある「月に鹿」の月の方が上弦だとか下弦だとか方向が色々あったようですが、こちらに設置されている状態を見ると、運転台から進行方向右側が上弦の月、左側が下弦の月と意匠的に左右対称になるように両方の月が付いています。
製造は昭和11年、日立製作所製。最終的に奈良機関区に車籍が移り、臨時旅客列車の牽引に活躍しました。その際に奈良にちなんで付けられた「月に鹿」でマニアの的になったようで、廃車までの全走行距離は1,512,589km(地球約38周)。
炭水車側から
足回り
上部に集煙装置と重油タンクが見える
足回りは塗装されいていて、それ以外も含めておおむね状態は良好ですが、長期間のメンテナンスはされていないようで、部分的に塗装の剥離や錆の浮きが目立ちます。
お寺では仕方ないか…とも思ったりしますが、檀家の方でマニアな人がボランティアでメンテナンスしそうなのですが、そのあたり声をかければいらっしゃいそうではないでしょうか。