大阪人はだいがいイラチです。
たしか全国で初めて待ち時間を表示する歩行者用信号というのが登場したのがここです。
そもそもの成り行きは、車道の信号が黄色になったら車が来ないのを見越して渡り始める歩行者が多く危ないということで、歩行者の待ち時間のイライラを解消するためにつけたそうですが、この「待ち時間」を秒数で表示してしまうあたりがすでに大阪人的感覚です。
イラチというのは「苛ち」ということで、いらつく人、せかせかする人という意味で、まったくもって大阪人の性格を言い表しています。信号が変わるちょっとの間が待てないイラチなわけです。
で、このイラチの歩行者用信号ですが、イラチを見越してか、待ち時間が10秒を切るともう、カウントダウンせずに表示が変わらないのです。10、9、8・・とか最後の5秒という表示(よけいイラチの元や!)は無く、信号が変わるまで10秒の待ち時間のまま。設置した大阪府公安委員会もイラチの大阪人の心理を読んでいます(笑)。
赤信号になっても渡り続ける図々しさは相変わらずですが、残り10秒を切ってからのフライングはここ数年でだいぶ減ったようです。とはいえ、まだまだせっかちな「イラチ」が多いのが大阪ですが。
相当イラチの大阪人に成功したせいか、いまや全国各地にこの待ち時間表示器がつけられるようになったとか。大阪を制する物は全国を制する、って訳でしょうか?
もっとも時間を秒数で表示するのは少ないようですので、やはり大阪人のイラチ度は特別かも
[参考資料]
牧村史陽編 講談社学術文庫 大阪ことば事典第13刷
イラチ【苛ち】(名)の項を参照