電子工作的な話かもしれませんが、やはりこれは街並みに関することと思うので、このカテゴリーで出すことにしました。
大阪日本橋の界隈には「五階百貨店」と称して、工具類、古家電、古着、材料類などを売る店のある建物一画があります。
五階の看板のある建物(でも3階建て)
この「五階」の看板を表しているのになぜ3階しかないの?と、言う疑問は実はこの五階という名称は別のところにあった建物の名前を襲ってつけたものなので、実は建物の階数とはまったく無関係なんだそうです。
明治中ごろに南海電鉄難波駅の南方に木造5層の楼閣(眺望閣)ができて、「五階」と称されていたらしく、その名前を頂いて来たのが「五階百貨店」です。古くは古道具市に端を発しているのですが、現在は古道具ではなく新品工具・道具類の店が集まっています。位置も当時の五階百貨店からはすこしずれた場所にあるということですが、思いっきり「五階」と書いてある三階建ての建物にはユーモアというか、見栄っ張りというか大阪人らしいセンスが感じられます(しかも大阪名物とまで)。
元の五階も高さ32mという高さの木造建築というのもすごいですが、その名前を頂いてつけるセンスもなかなかしたたかというか・・・やっぱり大阪人。
[参考文献]
牧村史陽編 講談社学術文庫 大阪ことば事典第13刷
ゴカイ【五階】(名)の項の記述を参照