高潮

 台風がくると気圧が低くなり潮位が上がります。
高潮の記録
 高潮の記録
 日本に甚大な被害をもたらした有名な台風「ジェーン台風(1950年【昭和25年】)と「室戸台風(1934年【昭和9年】)」の来襲時の最高潮位がポールに記録されています。
 ジェーン台風で潮位4.30m、室戸台風で5.10mと床上浸水のレベルをはるかに超えた高潮で、どちらの台風も風雨と相まって甚大な被害をもたらしました。
 台風は中心部が気圧の低い低気圧の発達したものです。気圧が低くなるため周囲の海水から押し上げられ、潮位があがります。気圧が1hPa下がると海面はほぼ1cm高くなりますが、室戸台風の最低気圧は912hPaでした。平時の1気圧は1013hPaですので、その差は101hPaとなり約1mの潮位の上昇をもたらします。実際はこれに風の影響などを受けて水が吹き寄せられ、最大風速の自乗に係数を乗じた高さの海面上昇を引き起こします。
 この係数は0.15〜0.20が日本の港湾での値。最大風速が45〜50mの室戸台風ではこの吹き寄せ現象も加わり最大4〜5mの上昇を引き起こします。
 その結果、このポールに示された浸水深の高潮を引き起こし、この尼崎駅を含む尼崎市は全体の40%が浸水したそうです。
 近年の台風は大型化に加えて強い勢力を示す傾向があり、風雨だけでなく高潮や河川の増水に伴う被害が発生しています。
「天災は忘れた頃にやってくる」
 想像を超えた自然の驚異の前には人間は無力です。そのための備えをしっかりしていても、その備えをはるかに超えた災害もあり得ます。そのような事象に遭遇した時の心構えだけはしっかりしておいた方が良さそうですね。 

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