デジタルタイマー全盛のご時世に、わざわざアナログタイマーを作ってみました。
ICミニタイマー
まだ、目盛りを切っていないのでどこで何分かはそのとき次第(笑)
ちなみに左に回しきる(最小時間)と10秒ほどで鳴動し始める
見た目が真っ黒になるのは黒染めのねじのおかげです
回路は電波新聞社発行の「新図解エレクトロニクス工作:だれでも作れる2」に記載されている「コンパレーター用ICを使った ICタイマーの製作」です。この書籍は現行で販売されているようですので同じものを作ろうとされる方は書店で購入可能でしょう。もちろん近くの図書館の蔵書であればそれを借りるのもよいかもしれません。
居酒屋ガレージさんの導通チェッカーの自動電源オフ回路に採用されているのと同じ形式で、コンデンサーに充電してゆき、充電電圧をコンパレーターで検出して、タイマー出力としている回路です。
こちらの回路はより正確に動作するようにタイマー用の充電コンデンサーに温度依存や経時変化の少ないタンタルコンデンサーを利用しているのと、充電にトランジスタを1段かませている点が異なります。
まず、回路はいつものようにバラック組でテストしておき、ユニバーサル基板で配線するためにEAGLEを使ってレイアウトを行い、実際に基板に実装します。
今回はちょっと余っていた片面ガラスエポキシを使用しました。リークする電圧・電流でも馬鹿にならない誤差になる事が予想されたからです。
ケースはいつものようにタカチのSW95ですが今回はB型番の黒色を使用しました。内部は単4×2の電池ホルダー、電源兼コンデンサ放電のリセットのためのスライドスイッチ、時間決定のための可変抵抗器です。ケース内部レイアウト上どうしても可変抵抗器を中央にもって来ざるを得なかったのでこのようになりました。基板をもっと小型化できればもうすこしレイアウトの自由がきくと思います。
筐体内部の様子
今回はまあまあ納得がいくような状態と思っている
基板の中程に見える茶色い丸がタンタルコンデンサー
タイマーの設定時間が来たら圧電素子からピーという音が出ます。一応回路はヒステリシス動作をするようになってはいますが、微妙な揺らぎがあるのか、鳴り始めにわずかに「ピピ」と来てから「ピー」と鳴りだします。
リセットで充電されたコンデンサーを放電する訳ではないので、スイッチオフはコンデンサーの放電も兼ねていますので、かならず一度オフにしなければ再セットできません。
さて実用的なところですが、ボリュームの位置でタイマー時間をセットします。約10分ぐらいまでのちょっといい加減な時間を設定するには十分です。ラーメンにはもってこいでしょうか。最近は3分ではなく4分とか5分のタイプもありますので、重宝しそうです。
せかせかとした世の中、なんとなくで過ごすぐらいのゆとりがある方が良いのでしょう。