大阪弁で良く使われる言葉で、全然意味が通じない言葉があります。
まぁ、かなり有名な言葉が多いのでお気づきの方も多いと思いますが・・・、ちょっと集めてみました。
セコイ(形)
「きみ、セコイな。」というと、ケチンボの意味に使われるようですが、元々は芸能人の隠語だったようで、醜悪、粗悪などの非常に悪い意味に使われていたようです。
中古品(sedondhand:セコンドハンド)を指す「セコ」と意味が重なって誤用されるようになったのではないでしょうか。セコを使うしみったれな意味が転じてケチの意味として「セコイ」に重なったのではないかと思っています。
ナオス【直す】(動)
しまう、片付ける、保管する意味に使います。
「この時計、なおしといて。」といわれて修理に出されたという笑い話があるぐらい。
関東では片付けるの約まったもので「カタス(片す)」といわれるので、大阪と東京で互いに言っている事が通じずさっぱり解りません。
チヤウ(動)
さらに段訛して「チャウ」、強めて「チャウチャウ」と言うこともあります。結構軽い目の否定の言葉で「違う」の大阪弁です。
「チャウチャウチャウチャウトチャウネン」は
「ちゃうちゃう、チャウチャウとちゃうねん」とすぐ判れば大阪人です。
テンゴ(名)
いたずらしたり悪さ・悪ふざけをしたりすることを「テンゴする」と言うのですが、大阪でも最近の若い人には判らないかも。
「ほんま、キミ、テンゴなやっちゃな。」と言われると「なんぎ(難儀)な奴」なわけです。
ナンギ【難儀】(名・形動)
ま、この日記も「ナンギ」な日記わけなのですが(笑)。
主に対象が困難である意味に使われるのと、迷惑だったり、面倒や煩わしい意味に使われます。
「ほんま、キミ、ナンギなやっちゃな。」と言われると、「困った奴」だったり、「迷惑な奴」か「面倒くさい奴」になります。
ホカス(動)
捨てることをこう言います。「放下す」ではないかと大阪ことば辞典では推測されていますが、「外(ほか)す」という考えもあるのではないかと私は思っています。
「ほかしといてぇ。」と、言われれば、示された物はゴミ箱直行です。関東ではさっぱり判ってもらえない言葉の一つではないでしょうか。
マッタリ(副)
食べ物の辛くない落ちついた味を指します。
某グルメ漫画(笑)などで良く出てきますし、昔はマーガリンの宣伝で使われていて結構全国区になってしまった言葉なのですが、本来は「こってり」でもなく「さっぱり」でもなくこれらとは趣の違う意味する言葉です。
ホトビル(動)
これまた同じ漫画でよく使われる表現なのですが、湯水に浸かって柔らかくなったりふやけた様を指します。
単行本で見返してみると何度もこの言葉に注釈が入るので全国区の言葉としては通用していないのかもしれません。漫画のネタ本になる北大路魯山人の文章中にも出てきますが、京都・関西の言葉なのか関東の言葉なのかちょっとはっきりしません。
カマヘン【構へん】
「かまわない」の大阪弁「かまわへん」が約まったものでしょう。「カメヘン」とも。
「かまへん、かまへん」と言われた後に続く言葉によって、なかなか大阪的微妙なニュアンスが含まれています。
「ええがな、ええがな」と言われたら許してもらっている場合が多いのですが、したたかな大阪人、ここで許したフリしてしっかり覚えていたりしますので要注意ですよ。続いて「そのかわり〜」と条件付けされることもしばしば。
「あんじょうしいや」と来るとかなり情けない状態。もう、情けをかけてもらっている状態です。人間的評価がかなり下がったと見て間違いないでしょう。ただし、次も許してもらえると思ってはいけません。
「もう、よろしいがな」となると確実に許してもらっていると見て間違いありません。さらに「おたがい様ですやんか」と来る事も。多少自分(相手自身)にも理由があると思われている状態です。
「もう、そんなことせんでも、よろし」と来た場合は先方はかなり遠慮している状態か、呆れられている状態です。
かまへんと言われても、なんかちっとも構わない事が無いような気がするのは私だけでしょうか?
[参考資料]
牧村史陽編 講談社学術文庫 大阪ことば事典第13刷
各単語の意味・解説の項を参照