信心深い方ではないのでネタとして。
境内の賽銭
「商売繁盛で笹持って来い」の十日戎で有名な今宮戎神社に参詣してきました。
元々は寄り神で漁業の神様だったえびす神がいつのまにか商売繁盛の神様に祀り上げられてしまっています。特に今宮戎神社では寄神信仰とは別に事代主神として祀っており、水とは関係の無い商売繁盛の神として最初から扱っているようです。
えびす神には不具神の伝承があり、主に東日本では農神とされたえびす神は片足もしくは両足が不自由で、盲目であるとか耳が遠いとされている伝承があります。海神としても鱶に片足を噛まれて跛になったとの説もあります。一番古くからえびす神を祀った西宮神社ではイザナギ・イザナミの間に生まれた不具の子とされるヒルコ(蛭子)とする考えがすでに鎌倉時代からあったようで、不具神としての性格が当初よりあったと考えられます。
また、耳が不自由な神とされることから、社殿の背後の板を叩くことで「来ましたよ」的なアピールをする行動が生まれます。今宮戎神社では社殿の背後に銅鑼があり、参詣者はこの銅鑼を手で叩いて音を鳴らしていきます。
七福神に日本の神として唯一組み入れられ、福の神の一人とされるえびす神ですが、様々な伝承を調べるといろいろな性格が見えてきます。
先の不具神以外にも、欲深いとか食いしん坊である他にも醜い姿であったなど、今の福の神として烏帽子をかぶり、釣り竿と鯛を持つイメージとはかけ離れたマイナスイメージな話も少なくありません。
ちなみにえびす神は「えびす」が正式であり「ゑびす」とするのは当て字で誤りだそうですよ。