たこにとって災難な季節が来ました。
半夏生ではタコ
煮物、天ぷらなどいろんな方法で食べられるらしいが・・
どういうわけかこの時期は、いつのまにやら「タコ」がスーパーのチラシで良く目に付くようになります。
そのチラシにタコとセットで半夏生という言葉が書かれていることが多くなりました。
二十四節気にある半夏生ですが、この半夏生、植物の名前でもありまして、このころに花が咲くのでこの名前がつけられたという一説もあります。漢方の半夏(烏柄杓:カラスビシャク)に由来するという説もあり、どちらの説も互いに「こういう説もある」みたいな感じなので、どちらが正しいのかという決定打はありません。
で、どうタコに結びつくのかというと・・・。
この時期は季節的に田植えが行われることが多いのですが、田植えを行った稲の苗が「しっかりとタコの吸盤が吸い付くがごとく根付くように」とか「稲の根がタコの足が広がるように地面に広がって豊作になるように」ということでタコを食べる風習が関西の一部の地域ではありました。
特に農事に関連することから河内地域山村の農家では、タコを酢だこやつくり(刺身)などにして食べたようです。また、この時期のタコを麦わらだこと呼び、一番おいしいそうです。
一部地域の風習を、土用の丑の日のうなぎや、巻き寿司の恵方丸かぶりと同じく関西商売っ気をいかんなく発揮させて関西一円の風習としてタコを食べることになってしまっているようです。
元々のタコを食べるという風習自体は物忌みだったり、農事に関連する儀式的な事だったのでしょうが、今となってはタコを食べるという事にメインが置かれてしまっており、大売り出ししているわけです。
タコにとってはまったく災難な日ですね。
巻き寿司の丸かぶりと同じく半夏生のタコとも私の幼少の頃に回りでは全く無かった風習ですねぇ。大阪市街地の商家などではそのような食習慣は無かったようですし・・・。
関西地方では半夏生にタコを食べるなんて、知らなかった関西人の方が多いんじゃないでしょうか?関西発、半夏生のタコ、消費拡大に向けてしっかりと商売しているようです。
[参考資料]
社団法人農山漁村文化協会 「日本の生活全集 大阪編集委員会」編
日本の食生活全集27 聞き書 大阪の食事 1991年2月20日第1刷
北河内(淀川流域:寝屋川市対馬江)
河内(旧大和川流域:八尾市恩地中町)
らの聞き書きの記述を参照
2006/07/08追記
参考資料の記載および、半夏生でのタコを食べる習慣の詳細を追加しました。