職場でブレーカーが落ちたらしく、その状態確認のためにお借りしました。
クランプオンプローブ(日置電機株式会社 MODEL 9006)
左からキャリングケース、本体、ラインスプリッタ
私のマシンのあるラインが以前にブレーカーが落ちたらしいのですが、その後再現しない(そうそう頻繁に再現してもらっても困るのですが)ため、状態を確認・記録できるように居酒屋ガレージさんの会社で保有のACクランプ電流計(クランププローブ)とレコーダーをお借りしてきました。
このクランプ電流計は普通にスタンドアローンで使用するタイプと異なり、本体に測定値を表示するエリアがありません。センサーとして利用するようになっており、プローブからの出力は300mVフルスケールの電圧出力。測定値を直読しようとすると外部に電圧計などを接続する必要があります。
スプリッタ
コンセントとプラグの間に挿入して簡便に測定できる
クランプするエリアで測定値がX1の箇所とX10の箇所があり、微小電流にも対応できる
ペンプロッティングレコーダー
HIOKI マイクロハイコーダ MODEL 8202
データセンターなどのラックに架装した機器類は容量いっぱいカツカツの状態で運用時に問題なくとも、リモートや手動でのマシン再起動時に発生する突入電流で電源供給元のブレーカー容量をオーバーして落ちてしまう事があると聞いた事があります。もっともオフィスの配線の場合はホット側とアース側がごちゃ混ぜ接続した状態で機器間に信号線をつなぐため、コネクタのアース側が数十V以上の電位を持つ事も珍しくありません。このような状態ですと漏電対応ブレーカーの場合は漏電と検知して落とされてしまうこともあります。
今回の測定状態
FS-0.2V, 10cm/hrで記録
機器の電源を順次オン・オフしたので階段状の記録になっている
私の机の回りにある全てのマシンの元電源をスプリッタを経由して集約し、クランププローブをX1の場所にかませて、レコーダーに接続しました。
全てのマシンの電源を入れてモニターなどの周辺も電源音にすると、だいたい、12A付近でふらつきはあるものの、鋭敏なピークはありません。これでは明らかな電流オーバーでブレーカーが落ちたかどうかが怪しくなってきました。同一の電源ラインから別のブロックも使用しているので、そちらも合わせて測定してみないと解りませんが、定格から見るとディレーティングできていない状況も考えられます。一応、落ちると困る機器にはUPSが接続されているので、もう一度再現するかどうかもう少し様子を見る事になりました。
古い機材ですが、お役に立ったようでよかったです。
PCでデータを取り込んで、なんてことも考えられるでしょうが、
シンプルに紙に記録というのが、何があっても(停電、浸水:コーヒーカップを倒した、バイオハザード:犬猫が来た)記録が残るので安心です。
貸し出しいただきありがとうございました。大変有意義に使わせていただき、こういった機材があれば調べて記録する事のできる範囲が広がり、説得材料を作る事ができるのを実感しました。やはり「なんとなく」の「たぶん大丈夫」では安心できません。
データロガーで電圧出力を取り込んでPCで可視化も考えたのですが、やはり、ご指摘のように「紙」が安心です。
犬猫が来るのは、バイオハザードですか(爆笑)!