大阪の味、昆布です(なんじゃそら)。
「十倍だし」と「昆布粉」
北海道など採れる昆布の最大消費地が大阪です。
大阪の「だし」は昆布が基本です。饂飩・蕎麦の出汁も昆布がベースで鰹節がプラスという仕上がりなため、関東地方から見ると味が薄いという見方をされますが、非常に淡白な味わいを基本としているという意味では関東の味付けとは、基本となるだしそのものがすでに対照的といえます。
この商品を見てピンと来た方も多いかと思いますが、まさにそのとおり。美味しんぼにも登場した空堀商店街にあるこんぶの「土居」の商品です。化学調味料(最近はメーカーはうまみ調味料と言い換えている)を一切使わず。本物でとった出汁を簡便に使ってもらえるように作り出した「十倍だし」。
北海道川汲の真昆布と枕崎の鰹節、愛媛の塩だけで作られています。この写真にある十倍だしには「本格」と銘打ったものがあり、そちらは塩に高知の天日塩を使用している事と、だしの昆布と鰹節の比率が違います。
通常の十倍だしは料理に使ってもらうことを前提としていますので鰹節の比率が大きく、本格十倍だしのほうはお吸い物などにそのまま使えるようにと昆布の比率が大きいそうです
「こんぶ土居」
実際にこの店舗店頭の後で十倍だしは作られていて、現地生産・現地販売の商品となっています。
昆布粉も同様に真昆布100%のまじりっけ無し。写真にあるような瓶入りのものと袋詰めされた詰め替え用のものの2種類があります。
そのほか、お徳用というか大阪的始末の精神のエコエコ昆布というのがあり、きつねうどん口伝で紹介した昆布の佃煮ではありませんが、十倍だしを取ったあとの昆布を佃煮にした商品もあります。すぐに売り切れるなんでも昆布という商品もあります。店頭では当然ですが昆布の佃煮、とろろ昆布・おぼろ昆布のほかに、昆布そのものや鰹節も販売しています。
と、まあ、ここまで書いていると店と商品の紹介になるのですが、こんぶ土居では出汁は日本の味の基本という観点から、正しく美味しい出汁をとってもらうために「だし教室」というのを月に一度、店内で開催しており、実際に自分で出しをとってもらい皆で確認しあうという、研修というか研鑽的意味合いの強い教室を開催しています。
商品を売るだけではなく「だし」を基本として正しい「だし」の理解と教育に力を入れているのがうれしいところです。ある意味「だし」に命を懸けている…と言っても過言ではないでしょう。
薄口といわれる大阪の出汁、そうそう中身は薄くありませんよ。