オペアンプピン互換のヘッドホンアンプデバイス。
TDA1308ヘッドホンアンプ
パイロットランプLEDが異様に明るい
低電圧動作、AB級パワー増幅のNXP SemiconductorsからリリースされているCMOSヘッドホンアンプデバイスのTDA1308を使って着せ替えヘッドホンアンプ(UM3x2版)の筐体を利用して試作・組み込みました。
回路基板
回路はTDA1308のデータシートに掲載のアプリケーション回路とほとんど同じです。電源周りを除いて、信号系は定数・回路構成は同じですが基板面積がそこそこあるのでサイズが大きめの部品で組んでみます。入力のDCカットコンデンサ(1μF)にWIMAのMKS2 1μF/63Vより大きめサイズの指月電機のSMC積層型金属化(メタライズド)ポリエステルフィルムコンデンサ1μF/63Vを、出力のDCカットコンデンサ(100μF)にアプリケーション回路では有極性のコンデンサが掲載されていましたが、ニチコンのオーディオ用無極性アルミニウム電解コンデンサであるMUSE ES 100μF/16Vを使ってみました。
キーデバイスのTDA1308の動作電圧範囲が3.0V〜7.0V(両電源では±1.5V〜3.5V)となっており、NiHの1.2Vx2の2.4Vではちょっと正常な動作が望めなかったため、いつものようにHT7750Aを使ったPFM DC-DC昇圧回路で電源を+5V単電源供給にしました。電源回路は前回のAD8656を使った低電圧版ChuMoyの回路と全く同じです。
TDA1308はオペアンプ版ヘッドホンアンプの置き換えを狙っているかのごとく、8pinの2回路入りオペアンプと入出力も電源もすべて同じピン配置。低電圧版ChuMoyの基板を見ながら作り込みを行ったため、基板レイアウトや基板上配線など前例がかなり参考になったため、製作は比較的楽でした。
低電圧版ChuMoiの時は電源分圧後のデカップリングコンデンサにOS-CON SEPC 1500μF/6Vを使っていましたが今回は2700μF/2.5Vをに変更しました。+5V限定であれば全く問題ありませんし、電源周りの強化になるでしょう。あとは+5V仕様という事で新たにパイロットランプのLEDを緑色に変更しました。最近の高輝度LEDはかなり明るく、電流制限用の抵抗をもう少し大きい値に変更した方がよさそうです。
さて、肝心の音です。
あくまでも私的な聴感ですが、いつも使用しているLM4880のヘッドホンアンプのパワフルな音に比べると色づけの少ない繊細な音です。前回同様にステップアップDC-DCコンバータの周りをデータシートに比べて強化していることもあり、最大ボリュームで鳴らしても聴感上の問題は全く出ません。
しばらく使用して電源周りのOS-CONのエージングで、どのように変化するかが楽しみです。
TDA1308ですが、デジット店頭売りの300mil DIPの在庫が無くなると、NXPのラインナップにはすでにこのパッケージが無いため、次のロットからSOPになってしまうようです。
今まで作成したUM-3×2電池ボックス付きケースで作成した着せ替え式ヘッドホンアンプの製作物はこちらを参照してください。
・LM4881版
・74HCU04版
・TPA6139A版
・9V昇圧版ChuMoy
・低電圧オペアンプ仕様ChuMoy
前回のAD8656を使った基板にTDA1308をそのまま差し替えても問題無く作動するのでしょうか?
ピン配置はオペアンプと全く同じですがデータシートのような接続はオペアンプでは見たことないので・・・
一度試してみて頂けないでしょうか?
動作すると思うのですが、増幅率決定の定数が異なっているのでかなり増幅してしまいそう。ボリューム調整が難しい(絞った最少の方しか使えない)かもです。